「サンプル誌」


リーダーは最高の状態を知り、それを再現できます

【Aさんのケース】

何人かのメンバーとの関係をうまく築けず、一人とは衝突まで起こしたAさんでしたが、冷静になって、衝突を起こした問題を分析しました。その結果、原因が判明し、対策を打ったのですが、その後もいい状態に戻れません。調子が出ないというよりも、もっと悪い状態です。また同じことが起こりそうな漠然とした不安があります。それでも冷静になって、予防対策もしているのですが、気持ちが晴れません。気にしすぎでしょうか、メンバーも自分に積極的にかかわるのではなく、遠ざかろうとしているようでもあります。

【奈良井のアドバイス】

問題を起こしたならば、その原因を探り、対策をする。そして、将来同じような問題を発生させないよう、これまでの経験を生かして予防処置を施す。Aさんはこれらのことを行っています。これ以上、ほかにすることがないようにも思えますが、そうではありません。

− Aさんの問題点

問題が発生すると、通常状態よりもよくない状態になります。このよくない状態は、当事者の気持ちにも影響します。Aさんの心の状態は、通常よりも落ち込んでしまっています。問題事象が取り除かれたら、自分の心の状態も元に戻さなくてはなりません。通常は、問題を解決したことが自信となって、心の状態も元に戻ります。
けれども、問題を発生した時点の状況があまりよくないとすれば、問題を解決したことが自信になって、元のよい状態に戻るということができません。
また、製品不良による問題などと違って、今回のように人間関係の問題であれば、さらに複雑です。

− Aさんがすべきこと

自信を取り戻さなくてはいけません。ところが周囲の状態に影響されて、なかなかそれもままならない...。
そんなときにヒントになることがあります。

それは、自分のとてもよい状態、最高の状態の時のことを覚えておき、それを思い出すことです。

仕事はどんどん進み、打つ手がすべてよい結果に結びつく。自分の気持ちもエネルギーも充足し、新しいアイデアもわき出てくるし、人も協力を申し出てくれる。
めったにあるわけではありませんが、そんな充実の瞬間は、誰でも人生の中で経験しています。この高揚感を、フローの瞬間という人もいます。

− 自分の最高の瞬間を、必要なときに取り戻すための自分なりの方法を持つ

大切なことは、この瞬間を偶然のこととしてしまわないで、必要なときにも、それを思い出し、自分をそれに近づけるようにできることです。
このメルマガの編集者は、研修の中で、高揚感を記憶としてとどめ、それを思い出すスイッチを作るというエクササイズを一人ひとりに合うように指導することがありますが、自分一人でもできないことはありません。

− よいリーダーが、メンバーから感謝されるひとつの理由

リーダーの仕事は、最高のパフォーマンスを引き出すことです。よいリーダーと仕事をすると、楽しく仕事ができる。そんなメンバーを作るように働きかけなくてはなりません。つまり自分の最高の瞬間だけでなく、メンバーを一人ひとりを見て、その人の最高の瞬間を作り上げる演出をしてあげるのです。仕事で高揚感があるチームのメンバーであること。メンバーにとって、これほどうれしいことはありません。

それには、自分から始めます。


   

  メルマガ

セルフマネジメント